2012年4月8日日曜日

ギリシャの自然

          エーゲ海とスニオン岬(ギリシャ)              マラトンの丘            エーゲ海とリンドス(ロードス島)

今ヨーロッパで財政赤字からの経済危機に陥っているのがギリシャである。20年ほど前にギリシャの状況について記録を残しているが、その当時にも西欧でありながら後進国のような印象を述べている。

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ローマ帝国が東西に分裂して東に残ったのがギリシャ正教。カトリックと比べて教会は質素で、またキリスト像もない。未だに土葬とのことでアテネでは墓不足とのこと。ロードス島でマツダの三輪トラックが未だ走っているのを見て、EUの経済統合の中でギリシャは今後も経済的にはきびしい状況が続くと感じた。
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しかし財政赤字については他人事ではない。ギリシャの赤字額より日本の方がはるかに大きいのである。日本でも長期保守政権のつけがいよいよにっちもさっちも行かないところに来たようだ。
日本があまり問題視されないのは、工業先進国であり市井の人々が不満を持ちながらも真面目にそれぞれの役割を果たし続けており、いずれ何らかの対応がなされるものと世界がみなしていることに他ならない。真剣な市井の人々の働きに反し国を導くべき政治家のいい加減さを嘆かざるを得ない。今日本で本当に世の中のこと考え実行しているのは市井のNPOなどの人々だけのようである。
大震災の対応も決して迅速ではなく、また原発問題に至っては迷走している。財政危機の現実に対して政治家にはまずは自分達の歳費を返上してでもその方向性を示し、歳出削減という根本的対策を実践することが求められる。まず魁より初めよ、ということで初めて市井の支持がとれるというものである。
与党も野党も自らその姿勢を示すために歳費返上などの提案をすることは皆無である。この事実から見ても政治家、それを目指すものというものは税金泥棒と言わざる得ないといつも思う。
間接民主主義の選挙による議員制度の行き詰まりと限界を露呈しているようだ。今の政治制度を根本的に変える必要があると考えるのは私だけであろうか。その解決法は市井の人々すべてが政治に関与することと考える。現状の選挙制度による方法では市井の意見がなかなか反映しない。
政治家に任せず市井の人々すべてが政治に参加できる体制に変えるのである。その具体的方法は、国会は任期制、再任なしで無作為抽出の方法で各地区から人を選任し国政に関する議論を実施し、利点・欠点などを検討し、最終判断は国民投票で決定する方法である。現在のインターネットの世界ではこのような体制を作ることは容易である。国民の義務として無作為に選ばれた人は基本は無給であるが、その間仕事ができなくなる人には報酬保証は必要と考える。
今政治家を目指す人は世のためと言い選挙に出るが、結局は議員という特権を持つことにより、自分の名誉、利益、利権を優先するということになる。これは与野党共にいえることで、日本という国のみならず世界の政治家にいえる共通の事実ではないかと思う。
ギリシャの経済危機の原因はこのような政治体制の問題点にあるのみならず、根本的にはもう一つ大きな産業が育っていないことも指摘できるのではないか。危機を解決するには新しい産業を創出するという努力も必要と考える。エーゲ海を見渡す素晴らしい自然を持ったギリシャであるが、美しい国土を維持することが大前提であることはいうまでもないが。